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2017年2月14日

ソムリエ情野のCoffee Talk(連載3)

このコラムでは、当社が経営するフレンチレストラン「アピシウス」のシェフソムリエ 情野が、一般社団法人日本ソムリエ協会 機関誌「Sommelier」に掲載したコラムを抜粋してご案内します。

(社)機関誌「Sommelier」バックナンバー

https://www.sommelier.jp/organpaper/index.html

 

アロマとブーケで表現する、コーヒーのテイスティング現場(前半)

ワインの世界では、香りを第一アロマ(品種由来)、第二アロマ(発酵由来)、第三アロマ(熟成香)のパーツに分けますが、コーヒーの香りは800種類以上の匂いの集合体で、やはり3パーツに分かれます。

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コーヒーの生豆には多糖類、タンパク質、脂質、ショ糖の4つの成分が多く含まれています。この中のタンパク、脂肪分、糖分は旨味の三大要素と呼ばれますが、コーヒーの生豆は必ず火によってローストされるので、ショ糖はほとんど失われてしまいます。

ロースト(焙煎)されることによりショ糖はカラメル化されて、カラメル色素が生成されます。このカラメル色素がコーヒー豆に含まれるアミノ酸に反応してメラノイジンという赤褐色の色素に変化していきます。

メラノイジンが生成されることを食品一般に「メイラード反応」と呼ばれ、焼いたパン、コンソメスープ、味噌や醤油などはすべてメラノイジンによって赤褐色を呈します。

瓶内二次発酵を終えてデゴルジュマンされたシャンパーニュをそのまま熟成しておくと、色調が濃くなり黄金色になってくることがあります。これも全てメイラード反応によるものとされています。

デゴルジュマン後に糖分を加えて味わいを調整しますが、その糖分を基にメイラード反応が起こります。メイラード反応によって作られたものは大体が「香ばしく」感じられます。この「香ばしさ」はソトロンとフラネオールという芳香成分が主に占め、ソトロンはメープルシロップやビール、フレンチフライポテトのような香りがして、フラネオールはパイナップルや蕎麦のような香りがします。従ってコーヒーの香ばしさとシャンパーニュの「モカフレーヴァー」は全く同じ過程で生成されています。

 

 


過去の連載はこちら

連載1

連載2

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