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2017年4月17日

ソムリエ情野のCoffee Talk(連載5)

このコラムでは、当社が経営するフレンチレストラン「アピシウス」のシェフソムリエ 情野が、一般社団法人日本ソムリエ協会 機関誌「Sommelier」に掲載したコラムを抜粋してご案内します。

(社)機関誌「Sommelier」バックナンバー:https://www.sommelier.jp/organpaper/index.html


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約1,000品種のブドウの中で、ワイン醸造に向いているとされるヴィティス・ヴィニフェラ系は約100種。一般的にビッグ4と呼ばれるカベルネ・ソーヴィニョン、メルロ、ピノ・ノワール、シャルドネは、世界で植えられているトップ20種のなかで占める割合は今でこそ16%ですが、1990年代当時は世界のワイン用ブドウ品種の約1/3はビッグ4で賄われていました(2015年オックスフォード・ワインコンパニオン調べ)。

一方コーヒーは「被子植物真正双子葉植物網キク類リンドウ目アカネ科コーヒーノキ属」の中で約120種あると言われていますが、そのうち商業ベースで栽培されているのが『カネフォラ種』と『アラビカ種』。カネフォラ種は世界の栽培面積の30%、一方アラビカ種は70%を占めています。

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世界の主流はアラビカ種

日本では『ブルーマウンテン、キリマンジャロ、モカ』が人気のトップ3銘柄と言えますが、これらは全て『アラビカ種』に属しています。

一般的にブルーマウンテン=品種と思いがちですが、ジャマイカで栽培されたアラビカ種のことを指しており、産地の呼称がコーヒー豆の銘柄と言えます。ブドウのシノニムと同じことです。

厳密に品種といえばアラビカ種に属する『ティピカ』や『ブルボン』などは亜種になり、ピノ・ノワールのクローンのようなイメージです。

 

コロニー(植民地)で栽培されたカネフォラ種

カネフォラ種に属する『ロブスタ』がこの品種の代名詞になっています。二条大麦を炒った香りいわゆる『麦茶の香り』と酸味が穏やかで苦味が強く個性的ですが、病害虫に強いため20世紀に入ってから普及しはじめ、今では世界の生産量の約30%を占めています。

カネフォラ種を栽培しているところはベトナムが有名です。ベトナムコーヒーと言われる、練乳をいれた甘いコーヒーなどが知られています。

カネフォラ種は日本で主に市販のアイスコーヒーやインスタントコーヒーのブレンドとして使われていますが、歴史的にアフリカで栽培されていたので、フランスでは多く流通されており、「泡持ち」も良いためエスプレッソコーヒーの補助的品種として欠かせません。

 

 


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