「災害対応型カップ自販機」支援事例のご紹介(茨城県つくばみらい市)
2015年9月10日、関東・東北地方で発生した豪雨および河川決壊による浸水は、茨城県をはじめ関東各地に深刻な被害をもたらしました。当社との「災害協定」締結先であるつくばみらい市では、隣接する常総市からの避難者を受け入れるためつくばみらい市総合運動公園体育館などを避難所として開設。「災害対応型カップ自販機」をご利用いただき、約1ヶ月間で8,322杯のお飲み物を無料提供させていただきました。
災害発生時から支援までの流れ
9/10(木) | 災害発生。協定に基づき「災害対応型カップ自販機」を無料開放。 |
9/11(金) | 避難者数は約350名と最多。 |
9/17(木) | この時の避難者数は約300名。 |
10/7(水) | この時の避難者数は約50名。 |
10/10(土) | 「災害対応型カップ自販機」を有料販売に切り替え、災害支援終了 |
ご利用いただいた方へのアンケート結果(n=51名)
カップ式に限らず、缶・ペット式自動販売機自動販売機も含めた広義での「災害ベンダー」についてご存知の方が多く見受けられました。
「毎朝飲んでいたコーヒーが、避難所でも飲めて助かった。」
「疲れた時、甘いものが欲しいときにココアが嬉しかった。」
「コーンドリンクは小腹がすいた時や、支援物資のパンと一緒に飲んだ。」等といったお声がありました。
無料開放中は一日平均300杯、最大で一日700杯のご利用がありました。一日に複数回ご利用になった方の多くは、「朝はコーヒー、午後はココア」といったように、時間帯や気分に合わせて使い分けていらっしゃいました。

お水・お湯ボタン
備蓄水や支援物資としてもペットボトルの水がありましたが、9月の熱い中、常温ではなく冷たい水が飲みたいという声を受け、「お湯ボタン」「お水ボタン」を設定しました。また1割弱の方が、薬の服用にお水を利用されました。
「よかった」と回答された方からは「冷たいものが飲みたいときに、氷も入っていてありがたかった。」
「飲みきりサイズでちょうどよかった。」
「カップ自販機ならではの商品、淹れたてのコーヒーなどを楽しめた、お世話になりました。」というお声をいただきました。できたての飲み物を、ちょうどよい分量でおなかに入れることができる点に、カップ式自動販売機の利便性を感じられたようでした。
「お金を持たずに避難したので、非常に助かった。」
「現金の持ち合わせが少ない中でいろんな飲物が気軽に飲めて、助かった。」
「あたたかいものやいつも飲んでいるコーヒーがあると、いざというときの心の支えになる。」といったお声がありました。
その他、「手持ちのお金がないまま逃げざるを得なかったが、無料開放で友達や知人、周りの方々に『ここにこういう自販機があるよ』と勧めながら、横のつながりができた。」
「お湯の量を増やしてほしい。(カップ麺などを利用するうえで)」といったご意見、ご要望をいただきました。
つくばみらい市職員様より
約1か月もの間、最後まで無料解放していただき大変ありがたく思っております。今回のように他の市で災害が起きた場合でも、受け入れ体制が整っているので協力を申し出やすく感じました。自販機のおかげでお湯の補給などにスタッフの手がかからず、他の支援活動や本来の業務に専念できました。
カップ式自動販売機では冷たいものや暖かいものが選択でき、すぐに飲めて大変助かりました。「お湯ボタン」があるのは災害時には非常に便利ですね。
発生時期や天気、気温など、どのような災害状況下でも、その時々の気分で、ホット・コールドを選ぶことができます。年間を通して利用できるのがカップ式自販機の強みだと感じました。
また、支援物資のペットボトル飲料を小分けするために紙コップが貴重でした。受け入れ初日の夜中、お水はあっても器がないという状態になり、紙コップが欲しいという声が多くあがりました。運よく祭事用に備蓄しておいた紙コップがあったため急場をしのぎましたが、今後の課題だと感じました。
今回の支援活動を生かすためには、協定締結先ではなく近隣で災害が起きた場合でも、速やかにお声掛けし対応すべきだと実感しました。また飲み物を通した支援だけでなく、紙カップ等の支援物資の必要性を改めて感じました。今後、つくばみらい市様と相談しながら善処してまいります。