2017年1月18日
ソムリエ情野のCoffee Talk(連載2)
このコラムでは、当社が経営するフレンチレストラン「アピシウス」のシェフソムリエ 情野が、一般社団法人日本ソムリエ協会 機関誌「Sommelier」に掲載したコラムを抜粋してご案内します。
(社)機関誌「Sommelier」バックナンバー
https://www.sommelier.jp/organpaper/index.html
クール クライメット パラドックスが糖分を約束する
「モカ」「ブルーマウンテン」「キリマンジャロ」のコーヒー豆が日本では人気を誇る品種ですが、そのコーヒー豆の育成には熱帯地方のサバナ気候、モンスーン気候の乾季と雨季、熱帯性雨林気候の山岳地帯がよく、山の頂上に近ければ近いほど良いコーヒーチェリーが収穫できます。
ブルゴーニュのグラン・クリュをイメージしてください。山の斜面になればなるほどいい畑があり、平地では村名ワインが造られるのと同じ原理です。
日本への輸出が多いタンザニア産の最高級のキリマンジャロなどは標高1,000m~2,500mで栽培されています(実際はキリマンジャロと名乗るのはタンザニア産の水洗式アラビカ種のコーヒー豆にも呼称資格がありますが)。
平地から山の斜面を登る標高がいいコーヒー豆を育てます。平地よりも斜面、その斜面よりも高所の方が昼夜の寒暖差がついてより糖度の高いコーヒーチェリーが収穫できます。(図2)
ブドウも同じく昼夜の寒暖差を利用して酸味を残しつつ糖分を蓄えそれを元にワインに変化していきます。
「昼夜の寒暖差が、美味しい果物を生む」この原理はフルーツの世界では常識です。
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連載2