ソムリエ情野のCoffee Talk(連載7)
このコラムでは、当社が経営するフレンチレストラン「アピシウス」のシェフソムリエ 情野が、一般社団法人日本ソムリエ協会 機関誌「Sommelier」に掲載したコラムを抜粋してご案内します。
(社)機関誌「Sommelier」バックナンバー
https://www.sommelier.jp/organpaper/index.html
我々が口にするコーヒーの味わいは以下の要素で決まります。
コーヒートーク連載もようやく半分を過ぎていよいよ後半戦、ここからはコーヒー豆がどのようにコーヒーになるのかの話です。
コーヒーにもテロワールがある。土壌と標高がコーヒーチェリーに与える影響
コーヒーもブドウも自然の大地から作り出されるのでその土壌がどのような成分で構成されるかが重要です。ワインの世界ではテロワールともいわれています。
コーヒーもブドウも石灰質土壌だと酸味が強くなり、粘土質土壌だと果実味が強くなる傾向があります。ワインも同様、以下のようにまとめられます。
また「コーヒーはフルーツ」という概念からすると昼夜の寒暖差が重要で、寒暖差がある平地よりも高地の方がコーヒーチェリーの糖度は増します。一般的に100m標高が上がれば、平均気温は0.6度下がるので、昼夜の寒暖差でいいコーヒーを栽培しようとすると赤道直下の産地は標高の高い栽培地を求めています。
機械収穫とハンドピッキングの違い
一般的に平地では大農園主が生産性を高めるために機械やコーヒーの木を揺すって地面に落ちたコーヒーチェリーを収穫します。一方、標高が高ければ必然的に斜面でコーヒーの木を栽培するので機械での収穫が出来なくなり、自ずとハンドピック(手収穫)をしなければならないので生産性が悪いのですが、手収穫の方が不健全なものを取り除くことができるので、クオリティーの高いコーヒーチェリーが収穫できます。ワインの世界ですとトリアージュ(選りすぐる)ともいわれ、高級ワインでは欠かせません。
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連載7